星座で801ログ保管庫出張所

桜に攫われる話 065

ハートがガラスな2名は希望通り放置し、自分の案を提示した。
単に、8名は多いのでグループ分けしようというものだ。勿論、桜と人間は同数で。
1グループ4名、そして水瓶の家で聞いた話を元に分けようとしたら、
水瓶、牡牛   乙女
ここまで目立った反論なし。次。桜側として、牡牛と同じグループに行くのは中々の冒険だ。
「そこで俺だ!」
獅子、水瓶、牡牛   射手、魚、乙女
「大体わかった」
3日前喧嘩した組がいる前者に、諦めた目で飛び込んでくれたのは蠍だった。本当は魚と一緒だとのろけが始まる点で警戒したのだけど。むこうの考えも間違ってはいない。
グループ分け完了
獅子、水瓶、牡牛、蠍   射手、魚、双子、乙女
良かった良かった。
「良くないです!蠍先輩気の毒な事になってますよ!」
気力が戻った乙女が、お茶を注ぎながら叫んでももう遅い。戻った瞬間理解した姿を見て、気力喪失してくれてて良かったと思った。というか、部屋を移動したり台所を行き来する間、よく戻らなかったものだ。
「今更だけど僕も心配だなぁ…大丈夫かなぁ」
「大丈夫だよ、皆さんとっても強そうだし」
「包丁片手に別世界に来て脅した子がついてるよ。平気だって。いやぁ、げに恐ろしきは後輩よ」
ダン!と目の前に置かれたお茶を飲みながら宥めてみた。
「トメさんや、俺にも茶をくれんかね」
「名前くらいまともに呼べ」
「え〜乙女だって獅子の事『お前』って呼んでるじゃん」
「そうだったか?」
「そういや、魚も人間の中では蠍だけ呼び方違う?俺の事は双子くんだっけ」
「そうだよ違うよ。好きだからねっ!」
キラーッと純粋なオーラが放たれる。人間を一撃で鎮圧するこの凄さ。
「もっと理由いるの?どんな理由?」
「…い、いや、好きな相手だしそうだね?うん」
「好き好き。だって格好良いでしょ?可愛いでしょ?」
「えっ可愛い?蠍先輩が?」
「幻聴か!」
「あはははは、俺は諦めの境地に入った!もう理由は充分充分。愛い奴よ〜来る衆無いちこう寄れ〜」
「あはははは、ダメだよ〜ほら見てるもの〜」
「すっげー、着物姿なのに全然時代劇っぽくない!」
「成人式やお祭りを見て時代劇だと思いますか?」
しばらく、大笑いしながらのお喋りを楽しんでいた。これだ、俺が望んだのは。
「…前から思っていたが、対象がうちの学校だけとか12年に1度とか、何を理由にして決めるんだ?」
望んだもの終了のお知らせ。