(瞬間移動に高速移動ジャンプ空中移動のコンボは…)
人間には慣れないってレベルじゃない旅であった。
日本の、射手の家に帰った頃。色和紙の空間にてただ留まる事に落ち着きすら感じる双子である。
瞬間移動の際に見るこの場に漂っていたくなったのは、地球を何周した頃だったろうか。
持ち主曰く「これは家」「移動の時に見てるのは家じゃない別物」らしいが、移動手段の度に色と無重力の空間を見た双子としては家という気がしないし、別物とやらとの見分けもつかない。
「お前旅行好きなんだなー」
次どこ見る!?とキラッキラした表情で聞く射手に付き合い数時間。次も何も、双子にとっては射手に引っ張られて色和紙から木へ、木から木へ飛び移り続けるのが面白くて観光どころではない。、強いて言うなら主に射手を見る旅だった。ちょっと色んなとこ見るだけのつもりだったし、そろそろ帰ろうと思うけどどう?と聞かれた時は全力で首を縦に振った。ジェットコースターも乗りすぎると疲れる。
「色んな場所や色んな人を見れるしなー♪」
機嫌良く答えられる。
「次行くならどこに行こうか?」
どこにしよっかねー、と、少し本気で考えた。