星座で801ログ保管庫出張所

桜に攫われる話 003

「この辺りで桜と言うと、校内に咲いている桜と街路樹の桜と。公園にもあるな、最近花見で有名になった所。あと街のど真ん中に派手なのが。
その先輩はどの桜の事を言ったんだ」
「俺の家の近所にある林にもあるよー」
「どの道…人通りが少ない場所で起きそうなものではないだろう。木が動くわけじゃあるまいし」
「あれ、この話信じるんだ」
「12年に1度、この学校の関係者のみ5人だけ殺害する規則的な犯人の方が信じがたい」
「お、そっか。噂になるなら何度か繰り返し起きる必要があるもんね。
その人がいたらもうお年寄りか。んー。
桜の話してたら花見したくなってきたよ。今度3人で行かない?」
どうしてこいつら、この話聞いて真面目に考えたり花見に行きたくなったりするんだ。
「花見はいいよー。景色は綺麗だし弁当はおいしいし、それを皆で味わえるし」
「綺麗、か。今の話も桜がやったと考える方が綺麗だな。うん。
牡羊、俺はその先輩にテストを出されても大丈夫だ」
まぁいいや。笑ってくれてるから。